陶房蟲蔵 大野裕之さん

入荷してもすぐに完売してしまう大人気商品「鮎菓子箸置き」。

まるでほんとうに求肥が入っているようなぷっくりしたお腹、ひとつひとつちがうこんがりとした焼き色。

そして、こちらも大人気の「鵜のペーパーウェイト」。

年間を通して人気商品ですが、鵜飼が開催されている時期はほぼ品薄となり、お土産にも贈り物にも大変喜ばれます。

このふたつを作っているのは、岐阜市に住む陶芸家・大野裕之さん。

穏やかでやさしくて、長良川デパートへ納品に来てくださるとスタッフは癒やされています……!いつもほっこり。

今回は長良川デパートのスタッフたちが大野さんの工房「陶房蟲蔵」にお伺いしました。

工房・陶房蟲蔵のまわりは竹林に囲まれた穏やかな場所です。

お庭には鳥のえさ台が。工房の2階から見える位置にあり、いろんな鳥たちがやってくるそうですよ。

工房に入ると生徒さんの大きな窯と大野さんの作品、生徒さんの作品がズラリ!

大野さんは陶芸家として作品を作りながら、定期的に陶芸教室も開催しておられるそうです。

工房の2階は実際に制作するためのスペースです。

ちょうど、窯に入れる前の鮎菓子箸置きが!焼き上がり届くのが楽しみです。

ちなみに鮎菓子箸置きは亀甲屋本舗の鮎菓子「うかい鮎」。なぜ亀甲屋さんのうかい鮎がモデルというと……、大野さんがいろんな鮎菓子を食べ比べ、一番形が美しく思えたからだそうです!(スタッフもうかい鮎が好きです!)

鵜のペーパーウエイトは、余った粘土で作った鳥たちがきっかけで生まれました。

かわいいぽてっとした鳥から、白鳥なども作っているうちに鵜が仕上がり、それを見た陶芸教室の生徒さんたちが「鵜ですね!」と気づいてくださったのだそうです。

スッと伸びた首や、お尻のあたりがきゅっとあがっているところ、くちばしの長さ、曲がり具合……。ただ”鳥”というわけではなく、岐阜の人ならすぐに”鵜”だとわかるほど鵜の特徴が捉えられています。

数年前に長良川おんぱくで開催された、鵜のペーパーウェイトを作るプログラムでは、鵜を愛してやまない方々がプログラムに参加し、大野さんが作る鵜について熱く熱く語っていたことを思い出します……。

そして特徴を捉えつつ、制作することの難しさ。頭の中で鵜の形をわかっていても、どれだけ実物を見ても、自分の手でこの形を作るのはなかなか難しいという声もあり、大野さんならではの作品であることを感じました。

そして和傘CASAがオープンした際に、大野さんから鵜のペーパーウエイトをプレゼントしていただき、鮎菓子箸置きと共に長良川デパートでの販売がスタート。

それからあっという間に長良川デパートの大人気の商品となりました。年中通して人気ですが、特に鵜飼シーズンは大大大人気!

ひとつひとつ手作りで、焼き上がるまで時間が必要なため、次回の入荷を待って予約する方も。

表情や風合いがそれぞれ違うので、ビビッときたらぜひおうちに迎えてあげてください。

余談:「1羽だと寂しそうで……」と再度購入しに来店される方もいらっしゃるので、可能であれば2羽以上でのお迎えがスタッフとしてはオススメです。

現在は陶芸家として活躍しておられる大野さんですが、数年前までは和傘も並行して制作していたそうです。

主に和傘の骨の部分に関わっていたそうです。今でこそ少しずつ和傘は知られる機会が増えてきていますが、大野さんが関わっていたときは今よりも和傘を販売しているところは少なく、作って売っても食べていくことが難しかったとおっしゃいます。

また、陶芸だけではなく木育指導員として木工を教えることもあるそうです。

現在は幼稚園で葉脈を使った粘土遊びや、実際に木や葉っぱ、時には森や木材を使い、子どもたちへ遊びながら学んでもらう、体験してもらうことにも携わっておられます。

幅広く活躍する大野さん、実は陶芸家になる前は欄間を彫りたいと思っていたそうですよ。

そのうち電動ろくろも使ってみたいなぁ……と、陶芸と木工を絡めることも考えているようで、挑戦してみたいことがたくさん!

そして大野さんと言えば、虫好きでもあります。これはセミの抜け殻を使って作られたカップ。面白い!!虫好きにはたまりませんね。

大野さんの観察力と自然への興味、それを自らの手で表現する技術に驚かされてばかりでした。

さて、お話を伺ったのち、我々も鮎菓子箸置き作りを体験!

粘土をこねこね、伸ばして……

鮎菓子サイズにカット!

求肥が入っているように見せるため、お腹に粘土を入れて……折りたたむ!

大野さん曰く、少しズラして重なっているように見せるのがポイントだそうですよ。

そして頭とお尻を少し持ち上げてやります。おぉ……鮎菓子の形!

最後に竹串などで、鮎の顔を描いて……できあがり!

鮎菓子の顔が決まる大切な瞬間!そして顔を描くのが絶妙に難しい!スタッフ、大野さんの説明を超真剣に聞きました。

これを乾燥させ、釉薬をつけて焼くと、こんがり焼けた鮎菓子箸置きの完成です。

こちらは粘土から乾燥、釉薬をつけて焼き上がるまでの姿。

釉薬のつけ具合で、鮎菓子のこんがり焼き上がり度が変わります。

3人で作ってみましたが、それぞれ特徴があっておもしろい&かわいい……!

2021年の鮎大集合!展では、大野さんが鮎菓子箸置きを作るワークショップを開催してくださいました。お子様でも作れるので、ご安心ください。(大人は大人で盛り上がります!)

自分で作ると愛着も増しますね。やっぱり人それぞれ鮎菓子の顔や形に特徴があり、どの子もかわいかったです。

大変好評だったので、今後また開催できる日をお楽しみに!


大野さんの作品は大きさ、形、さまざま。鮎菓子箸置きのようにかわいい作品もありますが、棘に覆われた迫力満点な作品も……!

発想豊かな大野さんがつくる、唯一無二の作品たち。

見てみたい方は展示会などで御覧いただける機会がありますので、ぜひ会場へ足を運んでみてくださいね。

陶芸教室も開催しておられますので、陶房蟲蔵のブログよりご覧ください。

https://mushikura.exblog.jp/

長良川デパート

岐阜県長良川が育んだ逸品 お土産のセレクトショップ 長良川で生まれ育った 選りすぐりの品々、あります。